2024年01月29日

宿命と運命

【宿命と運命】
最近、お客様によく聞かれることあります。
お客様『10代目は、いらしゃいますか?』

当主「沢乙温泉10代目の宿命に生まれた長男は、弓道三段で埼玉で弽師(かけし)の修行をしています。弦とは弓具です。弓を持つとき右手親指を保護するためにはめる鹿革製の手袋のことです。」

長男は、故郷の利府中学校で弓道に出逢い、弓道に人生を救われ、弓道を愛し弓道に愛されたと言って、将来、弓道の素晴らしさを世の中に普及したいと厳しい職人の道に入り精進しています。

長男の二分の一成人式10歳の作文は、料理人になって修業している二十歳の自分への手紙でした。その中で「お父さんのような料理人になるために修行している僕へ」といった内容でした。その作文は、私の宝物。料理人の両親が、言うのも親バカですが、息子は、天性のベロの閾値(いきち)を授かりました。

いきちとは、 ある反応を起こさせる、最低の刺激量てす。料理の味に例えると、その旨味に対して旨味が最大限に引き立つ塩分の最良値と捉えます。私の場合は、修行し、何十年も鍛練して出来た『いきち』を長男は、最初から持っています。長女、長男共に天然素材で取ったお出汁で無添加離乳食を作り母親が食べさせていました。

同じ離乳食なのに姉弟でもベロは、違うものです。やはり、長男は、天性のものだと察します。息子が三才ぐらいに、スナック菓子などを食べると『毒の味がするよ』と毛嫌いしてましたから。

両親としては、料理旅館の息子なので、その天性を活かした道に進んでもらいたいと口には出さずとも内心は、願っていました。しかし、親が想うようにならないのが子育てです。それよりも、息子が、好奇心旺盛で夢中になれる夢と志を温めている現状の方が、親としても幸運なのかもしれませんね。

長男は、埼玉で朝晩自炊をして、自分でお弁当を作り、厳しい職人の修行に日々明け暮れていると母親から聞いています。大宮の高校弓道部のコーチもして張り切っているそうです。

お正月に実家に帰省中のとき…
長男「父ちゃん、理旅館の裏に弓道場を造ったら、良いお客さん来るよ!だって弓道してる人たちは、文化人が多いから」と生意気に‥

父親「それは、もしもお前が、10代目当主になった時に弓道場を造れば善いじゃないか。もしも、これから努力して修業先から認められたら、屋号は、料理宿『沢乙うちみ』と弓具『朱利うちみ』かもしれないな‥」

私も長男も、龍神様が司る沢乙温泉の歴代湯守という宿命に生まれたけれど、宿命に本能されず『自らが命を運んでゆく』こそ、『運命の』だと考えます。私は、料理道。長男は、弓道。共に日本の伝統文化。

それぞれの大好きな道を極めて、人に喜ばれる存在に一歩一歩づつ近づいてゆけば善いのでないでしょうか。




一般的に運命とは、変えられないものとか云うけれど、夢と志に信念を懐き、命の運び方次第で運命を変えてゆくことが出来るものだと私は信じています。

宿命と運命に己の命を燃やして、人に喜ばれる存在になる。そして、いずれ社会の為になれたら、きっといつの日か、天命は、自然と降るものだと察します。

沢乙温泉うちみ旅館
九代目当主 内海貴史  


2024年01月13日

銀杏まな板に愛着

【銀杏まな板】
念願の銀杏まな板
#阿部製材 謹製(南三陸)






「包丁の刃当たりが優しく最高です!!」

阿部製材 さんは、うちみ旅館の改装に欠かせない宮城の材木屋です。改装度に大変にお世話になっております。自然木をバイオ乾燥機を駆使してしっかり乾燥させることで木材の反りや狂いがこない良質な南三陸産杉材を取り扱っております。

南三陸杉は、古から潮風により強くて肌触りが温かく良質材木だと云われます。江戸時代に仙台藩が植林を推奨したと云われます。

阿部製材若旦那の阿部俊哉さんは、南三陸杉をこよなく愛していて、仕事に誠実でお客様の要望にも誠心誠意、親身になってくれる男の中の男。うちみ旅館に集まってくれる英才職人の一人です。
料理屋旅館というものは、高次元のもてなしを現実にするために、食材は、もちろん、建築各分野の一流の英才職人たちに支えてもらっております。


(水捌けが良いように両サイドを削り蛤板に)

料理もアートも各分野、同じで、基礎基本が大切です。でも究極は相手を想って、ものづくりするから作品に魂が籠ると思ってます。



阿部さんが内海貴史を想って、まな板を製作してくれたから。愛情を沁々と感じるから写真のような良い顔になっているのではないでしょうか。

私もファンの人たちを想って、これからも料理に魂が籠るようにしてゆきたいですね。

沢乙温泉うちみ旅館
当主 内海貴史 感謝



追伸
銀杏まな板の特性
メリット1:刃当たり◎
イチョウ(銀杏)の木は、他の木材と比べ「柔らかく木質が均一」のため、木製のまな板の中で「最も刃当たりが良い木材」。 ほどよい柔らかさなので、お料理の際、長時間使用しても疲れにくいのが特徴の1つ。 また、イチョウ(銀杏)の木は、包丁の刃を痛めにくく、刃こぼれを防げますので包丁も長持ちします。 包丁とまな板との当たりも確かなので、食材が滑りにくい&切りやすいので、木製まな板の中でも安定性や安全性に優れているもの特徴です。

メリット2:傷が付きにくい(耐久性◎)
イチョウの木には復元力が高いというポイントもあります。そのためイチョウの木のまな板は傷が付きにくい。

メリット3:抗菌力◎
いちょう(銀杏)の木材は、そもそも「天然の抗菌力」を備えているため「カビが生えにくい木材」。 また、いちょう(銀杏)の木は適度な油分を含んでいるため、水はけが良い木材「乾きやすい」のも特徴の1つです。

デメリット
濡らしてから使わないと匂いが移る。
洗剤を使わないのでタワシでしっかり洗わなければならない。しっかり乾かさないとカビが生える。  


2024年01月09日

命を燃やす

【命を燃やす】



息子のけんじょうの言葉です。

パパ「けんちゃん目標は?」

ケンケン「命を燃やす!今のままではダメだよ…愛なんだから!」

彼は、力強く自分言葉で言い放ちました。

きっと、大震災の出産で己の身体が不自由になっても、地域の人たち、お友達、先生方、家族、それぞれに愛されて育った実感が、彼の中で愛が溢れ出る言葉なのではと察します。

『愛されて育った子供は、愛することができる』

パパ「けんけんの頑張りは、いつも笑顔で格好いいし、いつも回りの人に優しく出来て格好いいと思ってますよ!」

『愛なんだから!』きっと、愛があれば、頑張れるということを教えてくれているような気がします。

『命を燃やす』素敵な言葉だなと感心した年始めの今日この頃でした。けんけんの精神は、内面的な魅力に溢れているものだと改めて學ばせてもらいました。

将来、内海堅靖「詩集」を作ってもらいたいなあと沁々感じています。

けんけん「おやじーうぜぇ~!」

でも君の熱さは、もうすでに父ちゃん似だぞ(笑)

長い冬休みを実家で過ごし今日からまた船岡支援学校中等部寄宿舎に帰ってゆきました。

年末年始、お仕事であまり遊べなかったけど、毎日ギューと抱き締めて「けんけん、生まれてきてくれてありがとうね!」と13年間、息子に言い伝え続けています。

『愛されて育った子供は愛することができる』

それが子育ての原点。私は、まだまだ未熟な親です。

#内海堅靖

  


2023年11月13日

全国名水を志に

【明神沢の名水】



去年度から、宮城県の環境、建築、土木の有識者が集まる団体『JASFA』と宿敷地に湧き出づる明神沢に位置する沢乙温泉の名水を利府の名水としてペットボトルなどにしてブランディングしてゆくプロジェクトを遂行していました。

その意図は、宮城利府の清らかな水の象徴とした特産品に夢と志を抱いていました。但し、ペットボトルだけで原価70~80円、デザインやブランディング料金など含めたら赤字…利府が清らかな水の町であるこたとを知ってもらいたい志が本心です。

沢乙の名水である大きな由縁の一つは、利府町の森林の自然環境、土中環境 にあります。
利府の多くの森林地下は、宮城県でも有数な砂岩層だからです。要するに自然の恩恵『自然濾過装置』です。宮城利府の砂は、最高級だと土木関係者でも有名なお話です。その良質な砂岩層で天水が永年に渡り自然濾過されて地下の伏流層に行き渡り、利府の土壌や表松島の海底に涌き出ます。

利府の森林は、山々が低いのですが、森林が奥深く広大なのが特徴。故に町の水質が、森林の落ち葉や土中の砂岩層のミネラル分を沢山含んで水源に涌き出るから良質土壌だということになります。それらが #利府テロワール の由縁でもあります。古から利府の水やお米、果実が美味しい由縁の一つでもあると想われます。




写真で添付した検査表に示した大腸菌が不検出である奇跡の名水が沢乙の井から涌き出る源泉・天然水であります。利府が清らかな水に恵まれた象徴だと捉えています。

利府町の歴史文化的な場所に生まれ育ち、地域に根差した人間として、私が利府の次世代・後生の発展繁栄を願っています。

#利府の逸品
#土中環境
#利府町
#沢乙温泉
#うちみ旅館

沢乙温泉 九代目湯守
内海貴史  


2023年08月10日

うちみ旅館ものがたり

【心温まるもてなし】



ここ連日、宿のファンのカップルから御結婚報告や小学生の時に御来館してくれた女の子が成人になり御懐妊の報告と旦那様のご紹介がありました。沢山のお祝いの旅人をもてなす場面に関わらせてもらっています。私達も幸せ一杯、胸一杯、沢山の幸せをお裾分けしてもらっています。

宿を訪れた若いカップルがファンになってくれて、時を経て、何度もリピーターとして再来館してくれる状況が当主として本当に幸せなことです。お客様と宿側が惹かれ合う相思相愛の関係が実に心地よい。



そして、インスタグラムの熱烈なファンの方々も御来館。いつも当主やけんけんの投稿記事を読んで元気と勇気をもらってくれているそうです。たまに登場する主人と若女将の動画での掛け合いも面白いと言ってくれました。

以前に御利用のお客様が、先週だけで人生の節目にと、遠方から新婚旅行の御夫婦2組、結婚記念日の御夫婦3組。ご縁を繋いでくれる龍神様が見守るパワースポット「井宿shoyado」「結宿yuiyado」なのかな?



晩餐でお客様と当主・若女将との和みの輪が響き合い、笑いあり、涙あり、主人のお祝いの歌があり。歌は過剰なもてなしですけどね…笑

利府焼を慕ってくれる常連のお客様の結婚記念日の晩餐で利府陶芸家・鈴木俊明氏のぐい呑みを購入したいということで、直ぐ様、仲間の俊さんに電話…なんと次の朝に陶芸家本人が宿に登場するサプライズも有り!そして陶芸家がうちみ旅館のはっぴを着て旅館の番頭さんに大変身!愉し過ぎっでした。

生産者さん、仲買人、宿スタッフの真摯な頑張りで日々のもてなしを無事に感動の旅にしてもらえたようで安堵感、幸福感に満ちています。

旅の醍醐味は、訪れた地域の文化や風土の魅力+人々の温かさだと捉えております。

九代目 感謝

追伸
写真掲載は、お客様からSNS投稿に使ってくださいと
ご承諾を頂いております。  


2023年08月06日

愛と絆

【夏祭りの思い出】
利府葉山の盛大な夏祭りに息子のけんけんと行きました。



#障害児子育て
訪問する大きなきっかけは、#利府里山の市 で子供アイス屋さんをしてくれた葉山の男の子が先日、うちみ旅館にお母さんと来てくれて、「けんじょうくん!葉山にアサノさんが来てくれるんだよ!あの時(里山の市)歌ってくれた人だよ~いっしょに応援しよう!」と大興奮で息子を誘いに来てくれたからです。

二人は、利府小学校仲良しクラスで六年間一緒のクラスで助け合い励まし合い友情を育んだ親友です。二人の愛と絆が本当に素敵だなあと感銘を受けました。

私は、お友達とお母さんの思いやりに今でも涙が溢れます。普段、一人でお友達の所に歩いて行けない息子にとって、お友達からのお誘いがどんなにも心強く嬉しかったことだろうと感じるからです。

きっと、お友達との絆が繋がっていることが、故郷利府から離れて寄宿舎で暮らす息子の力になっていはずだから。





掲載した写真のように、お祭りイベントステージを鑑賞している時も、お友達は、けんけんにお水を飲ませてくれたり、帽子を直してくれたり、とても優しく寄り添ってくれていました。

地域の人からの思いやり、友情、愛と絆が、笑顔が絶えない息子の原動力に繋がっていると察します。

彼らの中学校一年生の夏祭りの思い出は、子供たちの心に深く刻まれることでしょう。きっと一生の宝ものになってくれたでしょうね。

地域の夏祭りを開催してくれた運営の皆様、子供たちに思いやりを抱いてお誘いのお手伝いをしてくれたお母さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

有り難うございました!

#内海堅靖 の父より  


2023年07月23日

マイホーム

【マイホーム】
中学生一年生の息子ケンケンが夏休みにマイホームに帰ってきたよ!




#障害児
#障害児子育て
#肢体不自由障害
#言語障害
#十二歳の息子力強く前に

4月から夏休みまで週末以外は、柴田町船岡支援学校寄宿舎生活を送り、1度も弱音を吐かずことなく愉しく頑張り通しました。船岡支援の先生方も「けんじょう!凄いよ!」といっぱい誉めてくれていました。

規則正しい寄宿舎生活のおかげさまで、夏休みに入ってからも早起き!朝から宿自慢「利府町産天日干し米の炊き立て煮えばな」をお客様に運ぶお手伝いをしてくれました。



彼の笑顔を観ていると、どんな状況でも、人の為に喜んでもらえているという実感が、人生の喜びや心の豊かさの一つなんだと実感させてくれます。

私達にとって、息子の障害児子育ては、かけがえのない人生の大切な學びとなっています。

ケンケンの父 感謝

追伸
マイホーム「うちみ旅館」のロビーに流れている楽曲は、 #アサノタケフミ さんの『マイホーム』です。ふるさとを離れて頑張っている多くの方の心を励ましてくれることでしょう!  


2023年07月14日

利府の逸品「地域愛」

【夢と志】
地域の方に在廊dayにご来場いただき本当にありがとうございました。

#利府の逸品
#地域資源
#地域特産品
#障害児就労



看板息子ケンケンの在廊は、立派にお店番を頑張っていましたよ!こんな経験も彼にとっては、地域に溶け込む共生社会の勉強です。タガレンジヤーに会えて少々、照れ臭そうでしたが内心は、チョー嬉しかったはず!



次の日、船岡支援学校への送迎車では、健やかな寝顔を見せてニヤニヤしていました。きっとタガレンジャー、アサノさん、サキちゃん、地域の大好きな人たちの夢でも見てたのかなあ?

利府の逸品ギフトボックスに関しては、商品の詰合せ案(例えば…利府米と利府はちみつのセット?)などを、アサノさんや大宮さんが自分の事業所のことのように親身になってアドバイスをくれていました。仲間って素晴らしい!!

稲作小規模農家さんが、米価暴落で生活できる生業になっていない世の中で、どうにかして郷土の誇り稲作文化に愛着を繋いでゆきたいです。将来、一人でも二人でも良いから、仙台藩献上米の口伝が残る利府源流米を未来に繋げてほしいと祈願しています。

100人中100人近く…私が志にしている利府源流米のブランディングは、無理だと想ってます?

しかし、難しい挑戦だからこそ、地域の方々の応援が励みになります!

利府里原を守ってきた先人たちの誇りにかけて、郷土利府の魅力発信と地域資源の価値観向上を目指して頑張ります。

支援学校がある利府町で、将来、社会福祉・障害者就労の意味合いでも、障害を抱える人でも、町の自然風土を生かした地域資源(天日干し米や利府はちみつ養蜂)などのお仕事に関わることで、自分たちも郷土の誇りある地域資源を守っているというアイディンティや心の豊かを感じてもらえるような気がします。

数年後に消えてしまうかもしれない郷土の農作文化を社会福祉事業に生かすことが出来れば、小さな生業でも郷土の誇りと愛着が保全継承されるかもしれない?



生まれ育った町で夢と志を温めてゆきたい!

「諦めないのが私のモットー!」
「未来のため 笑顔のため」

利府地域資源ワーキング委員長 内海貴史  


2023年07月03日

夢と志

【夢と志】
じゃらん特別号「クチコミ90点以上!泊まってよかった宿」2023ー2024関東東北盤。特集が夕食100点の宿の中から編集部が厳選した「感動!料理がおいしい宿」にうちみ旅館の掲載が決まりました。







夢を抱いて30年、じゃらん参入から10年、一つ一つ積み重ねて来て関東・東北圏まで、確実に人気に火がついて来ています。今では京都など日本の西から宮城利府に御来館してもらえます。いつも応援してくれるファンの方々、関係事業所の皆さん、スタッフ、家族のおかげです。

「ありがとうございます!」

私が若き日に、宮城や東北を代表する「料理旅館になる!」と夢を語った時に、ほとんどの大人が、利府は観光地でもないから無理だよ…と言ってくれましたね。

ずっと「今にみてろよ!」と心の内に秘める思いを抱いて夢を諦めないで精進してきました。

そんな若き日の苦い経験から、地域で夢と志を抱く若者がいたら、心から応援したいと思う原動力になっていると感じます。

50歳になる今も尚、和食文化や郷土宮城・利府に好奇心・探求心が溢れています。それは、もうすでに自分の「夢」ではなく、郷土宮城・利府の未来、次世代を願う「志」になったからです。

夢と志を懐き、覚悟を決めた人間の可能性を証明してゆきたい!!



料理人 内海貴史

じゃらんクチコミ
https://www.jalan.net/yad392834/kuchikomi/  


2023年06月30日

大人のアミューズメント

【設え】
料亭や料理宿は、食を始め、庭、建築、美術(器・設え)、土地の風土、歴史、文化を体感する大人のアミューズメントパークの一面が古来からあります。





うちみ旅館の井戸の間には、仙台南宗三大日本画家・山内耕煙直筆の画があります。その画は、沢が流れる情景に草庵が描かれています。

#沢乙温泉うちみ旅館 に流れる明神沢にも似ているような気がします。明神沢とは、古来に清らかな水源が人の営みの原点であり、もっとも人に恩恵を与えてくれた沢と云われる。清らかな水・お水神・龍神様として現世に姿を現してくれたものに「明神」という名を付ける古来からの習わしと云われます。

ジブリの千と千尋の神隠しに、描かれた沼、川、沢、井に宿る水神は、龍と信じられて、自然界の八百万の神として崇められてきた日本古来の風習です。



井戸の間に設えされた画をゆっくり鑑賞すると、沢の中に、龍神が舞っているように観えます。きっと、山内耕煙は、沢に宿る龍神さまを絵画の奥に潜めて想いを託したのではないかと察します。




願いが叶うなら、時代を超えて、山内耕煙氏とお話をして日本画に込めた想いを聴いてみたいものです。

「東北宮城を感じる名旅館を夢見て!」

沢乙温泉うちみ旅館 当主内海貴史

【山内耕煙】 やまのうち-こうえん
1828-1907 幕末-明治時代の画家。
文政11年生まれ。東東莱(あずま-とうらい),中西耕石にまなぶ。尊王運動にかかわり,維新後は画業に専念。小西皆雲,茂庭竹泉とともに仙台南宗(なんしゅう)の三大家といわれた。明治40年2月28日死去。80歳。陸奥(むつ)本吉郡(宮城県)出身。名は健。