2018年02月03日

冬の絶品『白子豆腐‼』

宿における冬の椀盛を紹介します。



白子の種類は、鱈の白子、虎ふぐ、真鯛と
いろいろですが、やはり三陸の真冬に水揚げされる真鱈の極上白子で作ります。

白子を洗った後に塩味のきいた湯で茹でます。
以外と火が通らないなでコトコトと10分ぐらいしっかりと茹でて火を通したあと、丘上げして裏漉しにかけます。
すり鉢に木綿豆腐の裏漉しを入れつなぎの卵白を入れしっかりと摺ります。
この重石をかった木綿豆腐が、白子との相性が非常に良く、白子特有の濃厚な味を、上品にクリーミーにしてくれます!

次に白子の裏漉しを入れて、またまたしっかりと摺り、次につなぎの大和芋のすりおろしを入れて擦り合わせ、薄口醤油で味を整えて、流し缶にいれて優しく蒸します。




『白子豆腐 薄葛仕立て』


椀妻は、小ネギをお出汁で煮含めたものと
京人参を線にして、お出汁で煮含めたもの。

吸い地は、天然昆布と枕崎産本枯鰹節で、引いた
香り高い一番出汁を本葛で止めた薄葛仕立て。とても温かく滑らかで体も心も温めてくれます。

吸い口は、椀に白子豆腐と妻とお出汁を張ってからスプーンで2、3滴いれる生姜の搾り汁。

この露生姜が、お椀の味わいをぐっと引き立て
しみじみとした深い奥のある味わいにしてくれます。

白子は、別名『雲子』とも呼び、見た目が雲のような格好しているので、女性に嫌われる場合が、多いのですが、裏漉しして豆腐と合わせることで、見た目も味わいも良くなり、とても人気があります。

料理の景色も、味のうち!!

白子豆腐に里山の人参と小ネギをあしらって
最後に味の決めて『露生姜』!

里山のうちみ旅館の景色に似合った椀盛だと……


日本料理の真髄として、宿でも、後世に
大切にしっかりと伝えていきたい料理です。


              九代目主人

  


Posted by 九代目 at 15:48Comments(0)旬暦(冬)