2017年11月28日
里山の鯖寿司‼

宿の鯖寿司を再構築しております。
鯖は、金華山沖の脂がのった『金華鯖』
を用いています。
いままでは、隠し味にご飯と鯖の間に
薬味である山椒の実の佃煮や生姜のガリを入れておりました。
自分としては、修業時代からのこだわりの棒寿司で
あり自信もありました!
ところが先月に私にとっては、衝撃な出来事がありました!
東京からお越しくださったお客様に宿の料理を
食べてもらい帰り際に忠告して頂いた言葉です。
その方は、食通らしく日本料理を食べ慣れているとすぐにわかりました。
お客様
『こちらの御料理は、たしかに旬の食材を吟味して
手間暇をかけた美味しい料理だと思います。』
『ただ、新幹線代をかけてお友達を誘って来たいとは思いません…』
『お金を出せば、東京の料理屋でも食べられますからね…』と
『三陸の美味しい魚が続いている印象です…』
『料理が、こちらの宿の景色に見合ってこそ、
美味しさを感じることが出来るのではないでしょうか!』と。
大変厳しいお言葉だったと思いました。
聞いたときは、長年にわたり自分なりに頑張ってきたつもりだったのでショックでした…残念。落ち込みました。
若女将と話合いをして、お客様のアドバイスを謙虚に受け止めて、もう一度しっかりと自分の料理に向き合う決意をしました。
確かに、遠くからのお客様を迎えて美味しい料理を
味わって楽しんでもらうためには、宮城の旬の味を楽しんでもらうことです!
でも、よく考えたら『うちみ旅館』でなくても美味しい料理が食べられます。つまり『うちみ旅館』ならではの料理が大切なのだと!
献立を、宿の場所や景色にあった料理にマイナーチェンジすることに挑戦してみようと思いました。
景色に見合った料理になれば、今の料理がもっと美味しく感じる可能性があるのでは?
その料理を楽しみに遠方から訪れるお客様が増えてくれるのでは想い始めています。
鯖寿司の再構築したアイディアは、鯖寿司の表面に漬物の千枚蕪をのせて、鯖と酢飯の間に和芥子を塗り味を引き締めて、棒寿司の中心に自家製の旬の白菜漬けの刻んだものを仕込みました!

里山鯖鮨~金華さばと冬野菜にて
器 古伊万里赤絵染付け銘々皿
(明治初期 150年前)
1ヶ月に渡り、何度も試作して、みんなでやっと納得出来るものになりました!(嬉)
厳しいお言葉を頂戴したお客様に、心から感謝しております!
新しく生まれ変わった『里山鯖鮨!』
今週末から、お泊まりの献立に登場します!
宿の景色にあった料理になっているのでしょうか…
味わいを越えた『心で感じる美味しさ!』の真髄が
少しばかり見えて来たような気がします。
九代目