2017年07月25日

清らかな水の味わい真子鰈❗

夏に旬を迎える真子鰈は、造りに限ります。
目利きは、信頼している仲買人にお任せしてます。



やはり、真子は、指し網で揚がった活魚で、身が厚く1キロ~1.5キロ位の大きなものが上物です。

私は、真子鰈の肝の旨みを生かしたいので鮮度の良い活け物でお願いします。




肝は、さっと湯を見せてから氷水に取り
裏ごしにかけて、すり鉢で醤油とポン酢を
足しながら肝醤油」にして、お造りの
付け醤油にします。

真子鰈は、鮮度の良い活け締めしたものは、
少し厚めのそぎ造りに切り付けて
塩とスダチで頂くのも美味しいです。



写真のように薄造りにして、
たっぷりの柑橘類で作った
手作りの熟成ポン酢でも
鰈の持ち味が生きて美味しいです。

肝醤油と薬味の入ったポン酢をどちらかを
お好みで付けて、真子鰈のお造りを楽しんで
頂きたいです!

真子鰈の爽やかな味わいを純粋に
楽しみたいならポン酢がお勧め…

夏にきりりと冷えた日本酒と合わせる
なら、私は肝醤油も素敵です!

夏の旬の真子鰈の味わいは、海の魚なのに
山奥の天然水のような凛とした
爽やかで清らかな奥深い美味しい水の
ような味を感じます…

真子鰈は、美味しいだけでなく、
夏に心をすーとさせてくれるような
清涼感ある清らかな旨みのある
味わいの魚だと認識しています!


九代目  


Posted by 九代目 at 20:53Comments(0)旬暦(夏)

2017年07月22日

天然うなぎ(松島湾産)❗



天然鰻は、今では漁獲量が殆どなくなってしまった大変貴重な食材になってしまいました。




養殖ものでも美味しいのですが、やはり天然うなぎは、旨みと脂の質が、全くもって違います。

口にした時の胸をわしづかみされるような圧倒的な
旨みと脂の旨さがたまりません。脂が決してくどくなく臭みもなく、食べた後に脂がさらりとなくなりますが、旨みと風味の余韻が続きます!

やはり、天然うなぎは白焼きに限ります。塩と優しく鮫皮で卸した本山葵で頂くのが、一番のような気がします。




天然うなぎの白焼きには、きりりと冷えた『ひやおろし』かなぁ。人夏越えて熟成した少し濃厚な味わいが、天然うなぎの旨みと上品な脂の旨みとベストマッチ!表現の仕方がちょっと古いかなぁ~(笑)




白焼きの他にお勧めなのが、

『天然うなぎの新蓮根蒸し!』



白焼きして、醤油を1回だけ軽く塗った
一回醤油で味付けして切り分け、新蓮根の
すりおろしに少量の卵白を混ぜ、うなぎの上に
乗せ、蒸し上げます。
仕上げに、宿の命の出し汁に本葛で軽くとろみをつけ蓮根蒸しにたっぷりと掛けます。
うなぎと出し汁の風味を損なわないように
山葵を少量の出汁で溶いて辛味をおさえた
溶き山葵をたっぷりのせて完成です!

鰻と蓮根は、出逢いもので相性バツグンなんです。


私が小さい頃は、宿の前の榎川(えのきがわ)にたくさんの天然うなぎが昇って来て父親が、鰻を獲って焼いて食べさせてくれました。

『あの味が、忘れらません…旨かったぁ』
なぜか、心に沁みます…

鰻は、夜行性なので、夕方に生きたドジョウを針に付けて川に仕掛けを父親と一緒につれていってもらったなぁ~
次の早朝に天然うなぎが、掛かっていて親子で喜んだのを思い出します。あれは、40年余り前です…

父親と一緒に獲った鰻だから、心に沁みた味だったのかなぁ~?

昔は、父親に天然うなぎを卸してもらい食べさせてもらったのに…今は、自分が鰻を卸して焼いている。
それを父親に食べてもらっている…

時の流れというのは、不思議なものです…


今は、残念ながら河川の下流にダムのように関井があるので鰻が宿の川には、昇りません…残念


あの頃、みんなで味わった感動した
『天然うなぎ』の味を夏から秋にかけて
宿でお客様に御用意出来る日を夢見ています…


九代目


  


Posted by 九代目 at 15:39Comments(0)旬暦(夏)

2017年06月01日

青葉薫る相名目(あいなめ)❗

晩春から初夏にかけて旬を迎える
アイナメを紹介します。

アイナメは、作り、椀物、
焼き物、揚物と多様な料理法に
出来る美味しい魚で、大変重宝します。



しかし、私が、心を惹かれるのは、春から
夏にかけて餌を食べはじめた初夏の
アイナメです。



写真のように、初夏のアイナメは、
身に、うっすらと脂がのり
とても上品な甘みが増して
身がふっくらして
とても美味しいのです。

特に、七ヶ浜や唐桑半島などの岩場に
生息している黄金色に輝くオスの
アイナメが上物です!

夏を過ぎると、餌をたっぷりと食べるので
脂が乗りすぎて、少しクセが出で来てしまいます。
お作りやお椀物には、段々と合わなく
なるような気がします。
(焼き物、揚げ物には、適しますが…)

初夏のアイナメの味わいは、
初夏の里山の青葉の薫りを感じます。

海の魚なのに、何故か味わいが
若草や山菜の青葉の香りを感じます。


(お椀に、打ち水をして涼しげに演出!)



『相名目と蕗と山独活の共汁仕立て』

宿では、アイナメの脂が乗りすぎて
いない上品な内に6月頃に、懐石の
椀盛の献立に登場致します。

山独活と山蕗の香りと初夏アイナメの
青い薫りが、とても相性が良いと
感じます。
吸い口には、木の芽と梅肉を!




こだわりの吸地は、命の一番出しと
アイナメのアラで上品に10分位で
さらりと取ったスープを半々に
混ぜたダブルスープとします!

アイナメの青葉の薫りがする
甘みと山蕗と山独活(やまうど)の
里山の青葉の香りとが、とても相性が
良いので、初夏を感じる大好き料理です。


鰹と昆布のみの出し汁での吸い地でも、
美味しいのですが、初夏のアイナメの薫り
のするスープを合わせることで、
一味も二味も違いが出ます!

海の旬の食材と里山の相性の良い食材を
組み合わせた、私らしい料理の
一品のような気がします。


このような料理が、私が目指してる
里山旬味の世界なんですが…

料理を、考案して構築していくのが
料理の醍醐味で楽しいものです。

料理の見た目だけでなく、
素材の持ち味を深く理解して
本質的に素材を生かすのが、
なかなか難しいものです…


5月6月の里山の青葉の香りがする山菜と
青葉の薫るアイナメの一時期しか成り立つ
ことが出来ない料理だと認識しています。

これからも、私の大切にしていきたい料理です!

是非、宿に残していきたい料理ですね…


九代目







  


Posted by 九代目 at 18:04Comments(0)旬暦(夏)

2017年05月30日

葉わさび辛み出し❗

花わさび、葉わさびは、ゴールデンウィーク
頃から5月後半位までの初夏に旬を迎えます。



花わさびや葉わさびの辛みが、
最大の持ち味なので、
辛みだしの方法が重要です。

まず、根本を切れる包丁で少し切り
水上げしてから茹でる。



熱湯で湯がいてしまうと、辛み成分が
お湯に溶け出してしまって辛みが、
無くなってしまいます。

必ず少し手が入れられる位の
80℃位の湯で湯がく。



根本の方が太いから最初に
湯にいれて、10位経ったら
上の花の柔らかい方も入れて
合計30~40秒位経ったら水に
落として冷やす。



次に、手で軽く搾ったらまな板の上にのせて
砂糖少々と塩少々を振りかけて、手で軽く
優しく揉んであげる






辛み成分は、揮発性なので
直ぐ様、ラップに包むか
瓶などのにいれ密封して、辛み成分が
飛ばないようにするのがポイント!




半日位すると辛み成分が染み出して
美味しくなります。




辛み出しが、終った葉わさびは、
だし醤油でお浸しで、食べたり
お作りのあしらいに添えて、
お刺身と一緒に食べたりすると
季節を感じ、美味しいものです!

特に、清らかな沢水で育った
葉わさびは、ミネラルたっぷりの
美味しい沢水の爽やかな味わいで
食すると、きっと初夏の風が
流れますよ!



九代目






  


Posted by 九代目 at 10:24Comments(0)旬暦(夏)

2017年05月30日

魔性の魚 鯒(こち)❗

夏に旬を迎える白身は、真子鰈、スズキ、
、鯒(こち)などがあります。

冬の白身の横綱は、虎ふぐであれば、
夏の白身の横綱は、鯒のような気がします。

食通の中では、昔から鯒は、
夏フグと云われておりますから!




人も魚も不細工な顔の魚ほど、味わい深くものです。

要は、寄り添ってみて、中味を知らないと
人も食材も、その味わいは、深く理解
できないものです。



腹を開いて、内臓を壊さないような
バラして取りだし、水洗いします。

まるで、手術のようですね?



右上が、心臓
右中が、肝
右下が、子
左上が、エラ
左中が、胃袋
左下が、苦玉(胆のう)

鯒の内臓で、美味しいのは、
肝と胃袋です!

胃袋は、特に美味しいです。
肝と胃袋は、しっかり掃除をして
湯がく。
餌が入ってないものに限りますので
生け簀で活かしたものが、上物です。

締めてその日のうちは、薄作りに…





鯒の薄作り 胃袋、肝、皮添え
熟成ポン酢にて

左上が、胃袋
時計回りで、肝、皮!
次が筆ミョウガと刻み大葉が
夏の名脇役!

(器 朝鮮唐津 蛤型向付)

次の日は、うす塩を当てて直ぐ様
洗いながし、水分拭いて昆布当てて
一晩昆布締めでお作りにします。



器は、九谷焼の名工 山本長佐
(皇室献上窯)



鯒の皮は、ゼラチン質で
コリコリとして旨味があります。


(鯒の酒蒸し)
鯒の身は、旨味は、上品な甘みがあり、
食べてからの余韻が続きます。

フグ同様に薄作りを、もみじおろし
と、水にさらして余計な香りを取った
小ネギの薬味を入れたポン酢にて…

ちり酢で、食べるのが、
鯒の旨味が引き立ちます!


上の写真のように鯒のカマやハラスは
、酒蒸しして、ちり酢を付けて
食べると美味しいです。


不細工な上手い魚は、カマや頭など
が、コラーゲンたっぷりでお肌も
綺麗になり、尚且つ美味しいです。


フグも、鯒も、たんぱくな
味わいの中に奥深い旨味が感じる
魚は、何度か食べないと
美味しさが理解出来ない
かもしれません…

食べ慣れると、不思議と
また食べたくなる魚です。


鯒を人に例えるならば、
知れば知るほど、惹かれる
魔性の女とも言うべきでしょうか?

魔性の女とは、
無邪気で気まぐれで、心は優しいが、
芯は、とっても強くて、
掴みどころのない、
知らず知らずに男性を
夢中にさせてしまう女性の
事を魔性の女というそうです!


魔性の女に出会った男性は、無意識の
うちに彼女に魅了されるとのことです。

その魔性ぶりは、決して計算ではなく
自然と兼ね備えた性質だそうです。

だから魔性の女とは、決して悪い言葉
ではなく、素敵な女性を表す言葉
なんです!


初夏に旬を迎える鯒も、
食べれば食べるほど、
知らず知らずに
魅了される魔性の魚かも
しれませんね(笑)


九代目







  


Posted by 九代目 at 00:54Comments(0)旬暦(夏)

2017年05月18日

高貴な三陸鮑❗

夏に旬を迎える鮑を、紹介させて
もらいます。

鮑は、夏に向けて、昆布や海藻を食べて
段々と太り始め、美味しくなります。





鮑は、三陸産のものが、香りも甘みも多く
美味しいです。
特に極上ものか200~300グラムの大きな鮑です。
三陸の中でも、七ヶ浜産の鮑が、極上物!
七ヶ浜の海の底の岩場地形が、良く鮑がたべる
良質の海藻が、育つからだと言われております。





鮑に軽く塩をして、すぐに水洗いして
身と肝と歯に分けます。

二本の透明がかった白いものが、なんと
鮑の歯です。

鮑は、この二本の歯で、海藻や昆布を
上手に食べて生きています。
この歯自体も、コリコリとした食感で
食べれます。珍味なので、料理に
添えてあげると絵になり、お客様との
会話に繋がり、楽しいものです。

食とは、食材の命を人が頂いていることです。

食材や作ってもらった人に、有りがたい味と食材を敬う尊い気持ち!感謝の心を抱きながら、食べることだと感じます。

だから、食材の食べれる部分は、工夫して
美味しく喜んで食べることが、大切なことでしょう。

だから、あわびの身だけでなく、肝も、歯さえ
も、有りがたく喜んで食べることが、食材の命に対して敬意を払うことだと思います。

人が、食べる時に大切にする気持ちです!

このような食べることの尊さを、生まれ育った、ふるさと利府で、小さな子供達に伝えていけるような『 食育 』活動をすることも、将来の夢の1つなんです。

鮑の話じゃなくなりましたね…

またまた、話が熱くなると
脱線してしまいますね(笑)





写真は、七ヶ浜産鮑まるごと天ぷらです!

しっかりと肝も天ぷらで添えてあります。
九代目のおすすめの一品です。

鮑は、長寿を願う縁起物です。

古に人は、鮑の叩いて伸びる性質を利用してました。
鎌倉から戦国時代に武将方が、鮑の身を平たく伸ばしたもので、熨斗をつくってお祝い品を渡したと云われています。


(懐石コースの八寸)


宿でも、お客様のお祝いの会食
(年祝い、結婚記念日等)などに、
長寿の願いを込めて、高貴な鮑を
献立に入れていきたいです!



九代目

  


Posted by 九代目 at 17:45Comments(0)旬暦(夏)