2025年02月22日

無心

【無心】



料理宿の当主は、癒しの時間を楽しんでもらう為に、料理、建築、庭、設え、地域の歴史文化、地域の風土を探求して、もてなしに生かすことが責務です。

加えて、経営戦略、人間関係…それぞれの道を探求していつも悩んでいる感じ。。頭も心もフル回転…。




僕の場合、そんな生活の中で無心になれることが、書です。筆に向かっている間は、何故だか無心になれる。書は、好きなこと。そして責務も無く、責任も無いことだから、頭や心をリセットしてくれる瞬間です。

無心…意志・感情などの働きがないこと。心の働きが休止していること。




物事に真摯に向き合うと、身体だけでなく心も疲労することでしょう。無心になれる時間を作ることも大切なことではないでしょうか。


九代当主  


Posted by 九代目 at 13:51Comments(0)九代目「書」

2025年01月05日

沢乙宿

【澤乙宿】
この度、沢乙宿という書を御軸として新調させていただきました。東京都漢詩連盟副会長・山田渓琵先生『澤乙宿』漢詩を揮毫。





書道清真会である師匠の小室成章先生の御縁で宿のもてなしに精を尽くした時に山田先生が沢乙うちみの想いを書に写してくださいました。

『沢乙の宿』
書 山田渓琵
表具 坂井英幸

読み下し
「春夏秋冬 お客を迎える宿は、栄え、菜や魚の温かいもの季節に応じて提供する。二つの井は千年枯れることなく水神の豊さを崇拝して益々懸命に精進する」

表具織物
正絹遠州緞子(しょうけんえんしゅうどんす)
柄は木瓜雨龍(もっこあまりゅう)雨を降らす
小さい龍

降臨龍柄の織物を用いた意図は、天から降る龍が土に雨を降らせて、明神の山で濾過されて沢乙の井からこんこんと脇き出づる情景を表具に写す。豊穣を意味する葡萄紋を書の上に設え、軸表装の回りに沢乙の霊泉の水色の織物も設える。書の裏打ちも和紙を何層にも重ね張りにしてあります。










先人から受け継いだ伝統を私達なりに現代に革新させるために長年培った宿の精神が漢詩に反映されていて感無量でございます。

山田先生の思いやりに敬意を表し宮城の名工である表具師・坂井氏にお軸表装して桐箱を設い、沢乙うちみの家宝にさせていただきます。

表具職人・坂井英幸氏の技術、見識、主人に寄り添う心意気もまた、超一流の仕事だと感じております。それぞれの英才職人の方々に支えられて『澤乙宿』のお軸は、2024甲辰、新生沢乙うちみ傑作の設えとなってくれたと想います。

沢乙うちみ 当主
内海貴史 感謝

#書道
#書
#漢詩
#お軸
#表装  


Posted by 九代目 at 05:43Comments(0)九代目「書」

2024年04月29日

九代目語録

【努力】






『人の努力を笑う人が苦手
努力の本質は、人の心を揺さぶる為
人に喜ばれる存在になる為
人に幸せになってもらう為
本来、努力は自分の為じゃなく
人の為なんだから』

努力の努は、女が又に力をいれて踏ん張る形がモチーフだと云われます。

男は自分のこと(夢)ばかり追うけれども、自分のことよりも家族や地域や社会のために踏ん張れるのは、女性が多いと感じます。そこが女性の心美しい特質だと想います。

漢字の語源のように古の人は、ちゃんと女性の特質を理解していたのでしょう。女性の努力って自分のためじゃなく、子ども、旦那、家族、そして地域や社会を深く愛する慈しみの心ではないでしょうか。

自分への戒めを込めて、奥さま、母親初め、スタッフ、自分を献身的に支えて踏ん張ってくれる女性に感謝してゆきたいと思います。

亡き祖母の大女将、母の女将、妻の若女将、それぞれの努力!

若女将の誕生日の朝を迎えて沁々と己の心を内観しております。

『努力』九代目語録

九代当主 感謝  


Posted by 九代目 at 04:47Comments(0)九代目「書」

2023年12月09日

笑顔

【書】細字



読み下し
じじとばば お茶を飲みつつ わらってる

親父が元気な頃に、当たり前だった光景を
想い出します。意見が合わなくて喧嘩も
したけど、家族みんなで笑っている時が
一番の幸せかもな…

寝たきりの親父を目の前に沁々と想う

人生に夢と志は大切けれど

家族や仲間の笑顔があってこそ

沢乙温泉 九代目




追伸
余談ですが、先日に泊まって頂いたお客様が
農家11代の方でした。その方が「内海さんの場合、八代が健在ですので、貴方は未だに九代目なのです。御父さん亡くなった時に始めて『九代』となるわけですよ」先人・先代を敬う心得を教えていただいような気がします。  


Posted by 九代目 at 18:12Comments(0)九代目「書」

2023年08月21日

真摯

【真摯】




真摯とは字の如く
「真」嘘偽りない本物
「摯」熱心に向き合い手で掴む

私は、物事に熱心に向き合い、一生懸命に取り組んでゆけば、いつの日か、その道の真髄を見極めた『本物』を自らの手で掴みとれると解釈しています。

人は、真摯な姿に心を揺さぶられ、感動するのではないでしょうか。

そんな生きざま『真摯』を大切にしてゆきたい。

#書道
#書 九代目  


Posted by 九代目 at 03:44Comments(0)九代目「書」

2023年04月04日

感謝の由来

【感謝】
感謝とは、自然からの恩恵や人からの厚意を
受けたことに「有り難い」と思うこと。
その気持ちを相手に伝えたい溢れる思い
だと感じます。




「感謝」の語源や由来
感謝の「感」の字には「心が動く・
心が動かされる」という意味。感動、
感心、共感、感銘。そして感謝など
「感」にこの意味合いが含まれる。

「謝」の字には「礼を言う」という
意味合いがある。謝意、深謝、
そして感謝などの「謝」に
この意味合いが含まれる。

要するに、自然や風土の恩恵や
人の厚意(優しさ、想いやり、慈しみ)に
心が動かされた時、己の心に
愛が満ち溢れた瞬間に抱く気持ちが
「感謝」だと思います。

和の精神・神仏習合の原典が
「感謝する心ただ一つ」
日本人として温めてゆきたい。

九代目湯守  


Posted by 九代目 at 10:56Comments(0)九代目「書」

2023年02月02日

日本の精神

【和を以て貴しとなす】



(わをもってたっとしとなす)」とは、
日本書紀に示す聖徳太子の定めた
十七条憲法、第1条です。協調や協和を
大切にする考え方の言葉です。

「和を以て貴しとなす」の1つ目の意味は、
「なにをするにしても、あまり怒らずに
和みを大切にすることが重要である」と
いうもの。「みんなが相手を尊重しあい、
認めあって協調することが、なによりも
尊いものだ」という意味です。

だれかに失敗や間違いがあったとしても、
その過失を怒ってはならず、協力・協調
・協和が大事だとする思想です。

2つ目の意味は「しっかりと話し合いを
おこなうこと」です。「争いを避けるだけが
和を大切にすることではなく、安易に妥協を
せずにお互いに納得できるまでしっかり
議論するべきである」という考え方です。

私個人は、現代ツールであるSNS、メール、
電話では、しっかりとした協調、協和を得るのは
困難と考えます。協調、協和は、得るためには、
しっかりと顔を見合わせて議論すべきもの
であると捉えます。

私のSNS投稿も、相手に伝わるとなんて
想っておりません…
ただ、個人的に大切にしたい想いや世の中へ
の投げかけ、きっかけ作り。

私は、まだまだ未熟者で、「和を以て貴しと
為す」の精神を修得していません。しかし
古から大切にしてきた日本の精神から学び
現代の生活、仕事、人間関係に生かして
ゆけるように己を戒めて精進してゆきたい
と思います。

「貴し(たっとし) 自らの名前に感謝を込めて」
「貴い(とうとい) 己の名に恥じないように」

沢乙温泉 
九代目湯主 内海貴史  


Posted by 九代目 at 09:12Comments(0)九代目「書」

2023年01月12日

信念は羅針盤

【信念は羅針盤】



#書 九代目

この信念が欠乏してなされる努力は、
羅針盤がない船で航海をしていると
同様であると唱える思想です。
中村天風 著書 「信念は人生の羅針盤」

私は、実際、信念を懐いて生きてきた
つもりだが、人生は、そんなに容易く
夢や志に到達するもんじゃない。

いかに挫折や逆境、苦悩を乗り越えて
人の支えの中で共に生きることが
肝心だと感じる。

「信念」と「我」は、全く違うもの。
勘違いしやすい…それを防ぐ大切な気持ちが
正に「感謝と謙虚」だと感じます。

感謝と謙虚が無い船は…
本当に心から幸せな人生だったと
思える港に着くのだろうか?

感謝と謙虚を懐いて、周りの人と共に
生きるからこそ「信念」が革新してゆき
自分が到着したい夢と志という港に
着けるのだと信じています。

やっぱり「信念は人生の羅針盤」

九代目湯守

追伸
当館では、九代目湯守の書を館内に
設えしてあります。「信念、謙虚、感謝」
私なりの郷土日本、郷土利府への夢と志です。
  


Posted by 九代目 at 12:50Comments(0)九代目「書」

2022年09月29日






【道に迷うことで道を知る】
宿内に当主自らの自詠自書を設えてます

今の時代は、ネットなどで情報が簡単に得られるけれど、知識や知恵は、自ら試行錯誤して悩みながら謙虚な気持ちで繰り返すことで、はじめて身につき、その道の真髄がみえてくるのではないでしょうか。

その道を極めることは先人たちから受け継いだ伝統や志。遠い道だけれど苦境・逆境に悩み苦しみながらも自ら選んだ道に立ち向かうことが肝心だと思います。

前回に投稿した一番出汁は、今までの生涯で一万回引いてます。

月25日×12か月=300回
年300回×20年=6000回

ランチがある時は一日二回、修行時代も含めたら28年で約一万回。それでも、まだまだ…

道を極めることは、迷いながら一生涯の挑戦なんだと感じています。

九代目湯守

#宮城の宿
#日本料理
#懐石料理
#オーベルジュ
#隠れ宿
#料理宿
#懐石宿
#沢乙温泉うちみ旅館  


Posted by 九代目 at 18:01Comments(0)九代目「書」

2021年09月01日

書に想いを込める

【書道】
書道を始めて五年。清真会に所属しています。
師は清真会常任理事・小室成章先生(東京あきる野在住)。沢乙の碑 書 小室成章





#書道
小室先生とは東京で懐石料理の勉強をさせてもらった頃に御縁を頂きました。今でも毎月、東京と利府を郵便で競書のやり取りをしてご教示してもらっています。


「子供らは小さき空き地がよりどころ」

幼き日々、両親が家業で忙しかった頃に日が暮れるまで友達と遊んだ空き地が心のよりどころだったような気がします。

いつの日か、宿のお軸や書を主人自らで設えをしたい夢があります。後世の湯守やお客様の心を揺さぶる書を宿に遺したい志です。




清真会本部の先生に「筆圧のある力強い作」と論評を頂き、挫けそうな気持ちが晴れました。何歳になっても頑張っていることを誉めてもらえることは本当に嬉しいものです。

書は、皆さんにお見せするには、正直まだまだ精進が足りません。しかし宿・料理・書・写真・何事も本人の強い想い(信念)が有るから力強いものに昇華してゆくものだと感じます。私なりに信じています!

九代目湯守

口コミ
https://www.jalan.net/yad392834/kuchikomi/  


Posted by 九代目 at 06:32Comments(0)九代目「書」