2025年01月05日

沢乙宿

【澤乙宿】
この度、沢乙宿という書を御軸として新調させていただきました。東京都漢詩連盟副会長・山田渓琵先生『澤乙宿』漢詩を揮毫。





書道清真会である師匠の小室成章先生の御縁で宿のもてなしに精を尽くした時に山田先生が沢乙うちみの想いを書に写してくださいました。

『沢乙の宿』
書 山田渓琵
表具 坂井英幸

読み下し
「春夏秋冬 お客を迎える宿は、栄え、菜や魚の温かいもの季節に応じて提供する。二つの井は千年枯れることなく水神の豊さを崇拝して益々懸命に精進する」

表具織物
正絹遠州緞子(しょうけんえんしゅうどんす)
柄は木瓜雨龍(もっこあまりゅう)雨を降らす
小さい龍

降臨龍柄の織物を用いた意図は、天から降る龍が土に雨を降らせて、明神の山で濾過されて沢乙の井からこんこんと脇き出づる情景を表具に写す。豊穣を意味する葡萄紋を書の上に設え、軸表装の回りに沢乙の霊泉の水色の織物も設える。書の裏打ちも和紙を何層にも重ね張りにしてあります。










先人から受け継いだ伝統を私達なりに現代に革新させるために長年培った宿の精神が漢詩に反映されていて感無量でございます。

山田先生の思いやりに敬意を表し宮城の名工である表具師・坂井氏にお軸表装して桐箱を設い、沢乙うちみの家宝にさせていただきます。

表具職人・坂井英幸氏の技術、見識、主人に寄り添う心意気もまた、超一流の仕事だと感じております。それぞれの英才職人の方々に支えられて『澤乙宿』のお軸は、2024甲辰、新生沢乙うちみ傑作の設えとなってくれたと想います。

沢乙うちみ 当主
内海貴史 感謝

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Posted by 九代目 at 05:43Comments(0)九代目「書」

2025年01月05日

迎春

【迎春】
新春のお慶びを申し上げます。



『黒豆』



真っ『黒』に日焼けするぐらいに元気で健やかに『豆』に働けますように…


この願いを込める習わしが、日本料理らしい『料理は想いやり』の真髄です。




黒豆は、朝晩二時間つづ五日間、沢乙の龍神水で茹で柔らかく戻し、壊れているものを全て手で選別してから、柔らかく戻した黒豆が、固くならないように砂糖を二日間で八回に分けて蜜煮にします。


本年も伝統的な日本料理の基礎・基本、伝統技と心意気を大切にして宮城利府の風土の素晴らしさを体感してもらいます。そして、懐石料理の核心である相手におもいやりを籠める心を磨き精進してゆきたいと思います。



料理は、主人と若女将の二人の料理人が、お座敷で自らもてなしをいたします。書も主人自らの書で設えます。

料理宿 沢乙うちみ の理念
『料理は 想いやり』

本年も皆さまのご愛顧、ご鞭撻のほどを宜しくお願いいたします。

沢乙 うちみ
当主 内海貴史