2025年03月26日

感謝と謙虚のお手紙

【中学二年修了】
おかげさまで息子のけんけんが、船岡支援学校中等部二年生を修了しました。寄宿舎暮らしも慣れてお友達や先生方と愛と絆を育んでくれたようです。







迎えに行った両親に、震える不自由な手でも一生懸命に書いてくれたお手紙を読んでくれました。息子の感謝と謙虚な気持ちを素直に感じて感銘しました。

#障害児子育て として、お手紙を共有させていただきます。




読み下し
『2ねんせいでは、できることがとてもふえました。お父さんお母さんの支えがあったからです。ありがとうございました。うちみけんじょう』

障害者である作家 #東田直樹 さんの言霊を思い出します。

東田さん…自閉症の僕たちは「自分が辛いのは我慢できます」「しかし自分がいることで周りの家族を不幸にしていることには、僕たちは耐えられないのです」。

障害児子育てをしている私達が息子のけんけんにも、ずっと懸念していた想いと重なります。

だから自分達なりに不安や懸念を取り払うように人生かけて希望の光を探し続けて見つけ出した答えが、彼に毎日投げ掛けてきた真の言葉です…

「けんけん生まれきてくれてありがとう!」
「けんけんのおかげでパパとママは幸せになれたよ!」

東田さんの言葉「人の視線が怖い」「いつも刺さるような視線でみられます」

けんけんは、脳性麻痺なのでいつもヨダレが出ます。どんな所でも頑張って自分で床をハイハイします。そんな時に人から刺さる目線でみられたことが沢山ありました。でも「人と比べずに頑張ることが格好いいんだよ」と今でも親子で共有しています。

自閉症の子供は、走り回ったり、大きな声を出したり、何度も同じことを言ったり、本人は、わざとじゃないのです。障害の特性だからそうなってしまうのです。だから社会は、「しつけが悪いな!」みたいな刺さるような視線を親子に向けないで欲しいです。本人たちは、傷つきます。どうかお願いします。

重度の自閉症のお子さまがいるご家族は、大切な記念日に外食や温泉宿に行くことさえ、周りに迷惑かけてしまう気持ちで諦めます。

弊社の料理宿・沢乙うちみは、重度の自閉症の子が親子でお泊まりに来てくれています。

一日三組のもてなしだから、他のお客様にご迷惑かけないように完全個室食にしたり、親子のために時間帯で大浴場を貸し切りにしたりします。他のお客様にも宿の理念や志を誠実にお伝えすれば、ほとんどの方が温かくご協力してくれます。

帰り際にお母さんは、『今までこんなにも人の目を気にしないで、我が子と旅の思い出を作れたことはありません』と嬉し涙を流してくれます。

私たちなりに出来ることで新たな挑戦をしています。何故なら弊社が、お客様に寄り添う心を重んじる『#料理はおもいやり』が宿の理念だからです。

この理念が確立できたのも、息子のけんけんが生まれて来たくれたおかげです。私達なりに障害児子育てに向き合う心の置き方を探求した #障害児子育て の考え方です。




障害児、障害者を理解し合える温かい世の中が拡がることを祈願しています。




#内海堅靖  


Posted by 九代目 at 11:42Comments(0)当主心得