2020年03月09日

つぼみ菜と貝類①



向付「里山つぼみ菜と閖上活北寄貝」
器は志野扇面向付

里山の恵みつぼみ菜は、畑で1番最初に春の訪れを告げてくれる旬の野菜です。

朝積みのつぼみ菜が、収穫されてすぐ、まだ生きている間に急いで茹で上げます。

茹でたつぼみ菜の甘さは、季節の青菜の中でも甘さとほろ苦さがあり素晴らしいものです。

宮城名産の閖上活ホッキも春に産卵を迎えますので身がふっくりとしていて一年で1番甘みが増して美味しい時期です。

里山の旬のつぼみ菜と海で旨味が増した貝を合わせると甘みのトーンが似ているのでお互いに持ち味を引き立ててくれます!

私は里山の旬の野菜の甘味は、旬の魚介類の甘味に決してひけを取らないと信じています!

最後に味の決め手は、擂り立ての香り良い本わさびのすりりおろし!!

器も春らしく志野焼の晴れやかさが料理を尚いっそうと引き立ててくれます。


          九代目  


Posted by 九代目 at 14:36Comments(0)出合いもの旬暦(春)

2020年03月03日

うちみ流懐石の真骨頂!

三月は、お雛祭りの節句

懐石でも女性の幸せを願いお祝いする大切な節句のひとつです!



「天然蛤と春大根の潮仕立て」

漆器 輪島塗色紙絵螺鈿蒔絵

懐石の椀盛もお雛祭りにちなんで天然蛤と菱大根の潮仕立てでおもてなし致します。

椀種の春大根の含め煮は、菱餅にちなんで菱形に形どって、ハマグリの潮汁の滋味深い旬の味を生かす為に大根は、鰹のお出しを使わずに水と昆布とハマグリのスープでコトコト含めます。

人参やウドの千野菜もお椀の中で一体感を表現するために、軽く茹でハマグリのスープを水で薄めた「半割り汁」で含めておきます。
 
海の蛤と里山の春大根を組み合わせ一つの御椀の世界のなかで蒼然と響き合わせる。

こんな料理が、うちみ流懐石の真骨頂です!

全面的に天然蛤の持ち味が生かした御椀は、お雛祭りの節句におもてなし料理にピッタリです!!


九代目  


Posted by 九代目 at 23:11Comments(0)旬暦(春)